謎のキャラクターカッティングダイ
私がダイカットマシンというものに出会ったのは、スクラップブッキングという楽しいクラフトを知った10数年前で、当時はマシンもダイも情報も、入手先は非常に限られていた。
しかし最近では、フリマサイトなどでブランド不明、著作権ガン無視の安価なダイが出回っている。
出品者は格安で仕入れて、数倍の価格で販売する商売かな?と想像している。
キャラクターとしては、特にディズニーものが多いが、日本のアニメキャラやスヌーピーやきかんしゃトーマスなどもある。
フリマサイトでは、カットした制作見本がなく、ダイの写真のみ掲載のことが多くて、実際に素敵なものが作れるのか疑問である。
プリンセスものは、ドレスの模様や髪の毛の筋など、かなり細かく模様が入っているが、これはエンボスがきれいに入るのだろうか?
アニメキャラの場合、細かいパーツが多く、部品ごとに色を変えて抜き、1枚ずつ貼り付けていくことを考えると気が遠くなる。
作成例を見たいが、ググってもなかなかでない。
謎のダイは謎のまま、フリマサイトではいくらでも出品される。
そしてどんどん売れている。マシンは今やそこそこメジャーなものになったのだろうか?
デザインが精巧なのに、ちゃんと抜けるのか気になって気になって仕方がない。ので、ポケモンのものを買ってみた。
サイズ感がマチマチだが、まあ、かわいい。
円形のものは紙面にキャラクターが浮き出るようにカットされるので、周囲を改めてカットする必要がある。
シジックスのサークルダイと組み合わせて、円く抜いたら良い感じになった。
息子にねだられて買ってみた寝ているピカチュウ とヒトカゲも、彩色などの加工が必要ではあるものの、顔はかわいい。
問題は、立っているピカチュウ である。
これは、アリエクスプレスに作成見本の写真があって、微妙すぎる顔をしていたけれど、まあアジアンクオリティでそんなもんだろう、と捉えていた。
顔のパーツが別で抜けるから、組み立て次第でかわいくなるはず…と思ったけれど、記憶王で試作したらすごい顔になった。
ちゃんと資料を見てバランスよく作ったら、かわいいピカチュウ になるはず。(と信じている)
それよりもこのピカチュウ の問題点は、切れなくて良い足が切断されてしまうこと。
カットした後に、再び紙の断面にノリをつけて貼り合わせなくてはならない。
足と胴体の境目の歯を少しつぶして、切り残してつながった状態にカットできたらなぁ、でも小さいから難しそう。と思っていたところ、好都合な道具が手に入った。
コロナ休校により、自宅で作成することになった息子の美術の課題、銅板レリーフ用の打ち具である。(名称がわからないが)
先端の尖ったものを使用して、他の歯を潰さないように、慎重にゴンゴンゴン!と金槌で打ってみた。
ダイは銅やアルミじゃないからそれなりに硬い。
理想としては、足の真ん中にラインが入るよう、両端をかすかに潰したかったが、なかなかうまくいかない。
多少歯が潰れて、足が切断されなければそれで良いか、というところで妥協した。かすかにできた凹みにより、なんとか足もくっついた状態で抜けるようになった。
カッティングダイは、紙を綺麗な形に切り抜けて、それをホイホイ量産できることが魅力である。切れなくて良い部分が切れてしまうのは困るのだ。
なんとか使いやすく加工できて良かった!
謎のダイは、難がある場合も考えられる。出品者も輸入物であるとことわりをいれているが、そうは言っても無意味な切れ方をすればがっかりである。
ピカチュウ は加工で対応できたから良かったが、毎回自力でフォローできるとは限らない。
普通の流通ラインには乗っていないグレーなアイテムが多いので、購入自体が冒険とも言えるが、一応アウトラインはちゃんと抜けるダイだった。
気になるアイテムを見つけたら、また買ってしまうかも…。